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青梅の蜜煮


「青梅の青さ丸さをそのまま残したい」


来年こそは銅鍋を使ってと奮起していたはずが、一年が経ち、時期に入ると何だかんだと後回しになり、今年も慌てて終わりかけの梅を収穫しました。

既に黄色味がかり、あんなに思い描いた青梅の蜜煮が出来そうにありません。

青い色には必要不可欠な銅鍋の以前に、梅が黄色ければ青くなるはずはなく、試しに手持ちのアルミの片手鍋で甘く煮てみましたが、柔らかい皮はすぐにやぶけ、褪せたベロアの風合いの黄色いマリモのような梅たちがシロップに沈んでいます。ああ今年もだめか。

チケットの注文などもそうですが、腰を上げるまでは自分の側に決定権があるように錯覚して、決断を後回しにしまいます。電話をかけるとどこもsold out、焦りと後悔に苛まれるというのはよくあること。時すでに遅く、この同義において、自分も親もいつまでも若くはないのでしょうね。

ようやくかかったアクセルで銅の坊主鍋(底が丸といためこう呼ばれる)を注文し、遠方の知り合いから固くよくしまった青梅を譲って頂き、5日後には念願の青梅の蜜煮が完成しました。


手順は走り書き。青梅をよく洗い、剱山などで小さな穴をあけ、一晩水につける。次の日、10%程度の塩水に1日~3日漬けた後、何回か水洗い、半日~1日水に漬けて塩抜きをする。銅鍋にたっぷりの水と梅を入れて弱火にかけ、沸騰させずにふつふつと小さな気泡が出てきたら2分程度茹でる。一度水を捨てて、もう一度茹でこぼしを繰り返す。3度目は小さな気泡の状態で、青梅に緑色が戻ってくるまで1時間程度煮る。もう一つの鍋に砂糖の半分量で作っておいたシロップに梅を一つずつ移して(手袋用意)、5分程度沸騰しないように弱火で煮てしばらくそのまま。もう半分の砂糖を追加し、3-4分程度煮てそのまま冷ます。味が落ち着くまで1週間程かかる。瓶に入れた後、煮沸すれば1年保存可能。ほとんど早口言葉ですね。(2019.06.28)

注)2023年6月現在は、上記よりシンプルな工程でお作りしています。


塩水に漬けた後の変色した青梅。この後、銅鍋で煮ることで不思議と徐々に緑色が戻る。


                                                       

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